知的水準がそれ自体では人気につながらないとしたら、頭のいい子たちが、決まって人気がないのはどういうわけだろう?
頭のいい子供は、どうして自分を人気者にできないのか?そんなに頭がいいのなら、人気の仕組みを解明して、そのシステムを叩けばいい。共通テストならやっていることなのに、どうしてそれができないんだろう?
今の大人には、これといったティーンエイジャーの使い道がない。オフィスにいたって邪魔になるだけだろう。だから、通勤の途中で学校に放り込んでいくわけだ。週末旅行に行く時に、ペット預かり所に犬をあずけていくのに近い。
表向き、学校の目的は子どもの教育ってことになっている。実際には、学校の主な目的は、子どもたち全員をひとつの場所に閉じ込めて一日の大部分をそこで過ごさせ、大人たちが用事を済ませられるようにすることだ。
問題なのは、(a) 彼らがその事実を知らされていないこと、そして (b) その監獄の運営が、ほぼその囚人によって行われているということだ。
11歳の子どもたちを、自分たちで作った仕掛けの中に放り込むと、彼らはたいてい『蝿の王』みたいな世界を創り出す。
学校がだめだとしても、だから何なんだい?たかが学校じゃないか。他の生徒によく思われていないとしても、だからどうだっていうんだい? 学校は人生じゃないってことを理解しておくことが大事だ。
子どもにとって人生が悲惨に思えるとしたら、それは、ホルモンのせいでみんながバケモノと化したからでもなく(両親はそう思っているかもしれないけど)、人生がほんとうに悲惨だからでもない(きみはそう思ってるかもしれないけど)。それは、大人たちが、もはや経済的な使い道のなくなったきみたちを放り出して、実質的な目的は何も与えずに、何年もせまいところに押し込んだせいなんだ。
Author:五合